料理を多めに作っておき、2回に分けて食べるという人も多いのではないでしょうか。
日持ちする作り置きメニューは、夕飯の一品やお弁当のおかずにと大活躍ですよね!
でも、暖かくなってくると怖いのが食中毒・・・
暖かくなり始める4月頃から、暑さが落ち着く9月頃までは食虫毒の最盛期と言われています。
残った温かい料理を、そのまま出しっぱなしにしていたら、あっという間に菌が繁殖してしまう・・・
かと言って、熱いまま冷蔵庫へは入れられないし・・・
いま食べない分の温かい料理は、どうやって保存すれば菌の繁殖を防げるんでしょうか?
食中毒を起こさないための、残った温かい料理の正しい保存方法を教えます!
スポンサーリンク残った温かい料理は、急いで冷まして冷蔵庫・冷凍庫へ!
「温かい料理を冷蔵・冷凍保存する場合は直ぐに冷やす。」
これが温かい料理の保存方法の中で、食中毒菌を繁殖させないための鉄則です。
いくら料理を加熱しても、ゆっくり時間をかけて冷ましていたら、菌が繁殖しやすい時間帯が長くなってしまうからです。
暖かい料理を保存する時は、できるだけ早く粗熱を取って冷蔵&冷凍保存しましょう。
粗熱をすぐにとる方法
温かい料理を、そのまま冷蔵庫や冷凍庫にいれて保存するのはNGです。
冷蔵庫内の温度が急上昇してしまい、他の食品が傷んでしまいますから・・・
かと言って、粗熱を室温で自然に冷まそうとすると、食中毒菌が繁殖しやすい時間が長くなってしまいます。
温かい料理の保存方法は急速冷蔵&急速冷凍です!
粗熱はできるだけ直ぐに取りましょう。その方法です。
・氷を使う
ボウルの中などに氷を敷き詰め、その上に温かい料理の乗った容器を置きます。
・アイスパックを使う
これ、便利です。アイスパックの上に、直接お皿を乗せて冷やします。
・扇風機の風に当てる
扇風機などの風を送って冷やすのもいいですね。できれば氷やアイスパックと併用したいです。
・エアコン冷房の直風に当てる
この場合も、氷やアイスパックを併用したいですね。
粗熱が取れたら、すぐに冷蔵庫か冷凍庫へ!
種類別!温かい料理の食中毒を防ぐ正しい保存方法
親子丼・カツ丼など卵でとじた温かい料理の保存方法
卵でとじた料理って、やや半熟程度でいただくのが一番おいしいと感じる人が多いと思います。
私もその一人で、卵とじ以外にも、半熟の目玉焼きが大好きです。
卵には、牛・豚・鶏・犬・猫などの腸の中にいる細菌である「サルモネラ属菌」が付着しています。
鶏のお股から出てくる卵は、必ず「サルモネラ属菌」が付着していると言われているくらいです。
卵料理が残った場合、ついつい卵が半熟の状態でそのまま冷蔵庫で保存してしまいがち・・・。
保管する際は、卵が完熟になるようにしっかり加熱するようにしましょう。
中心点が75度で1分以上の加熱で、「サルモネラ属菌」は死滅します。
牛肉や豚肉などのステーキの保存方法
「ステーキはレアが一番おいしい!」と感じている人も多いと思います。
私は、しっかり焼いたものが好きですが・・・
豚肉は完全に加熱するべきことは知られていますが、牛肉は油断してしまいがち。
牛や豚の腸内には、「腸管出血性大腸菌O157」などが存在しています。
その菌は、肉を解体する際に、必ず可食部に付着してしまいます。
牛や豚に限らず、鶏や魚の調理の際は、食材の中心部が1分以上75度以上になるよう、加熱しましょう。
残った温かい料理の保存方法は、荒熱を取った後に冷蔵庫にすぐに入れることです。
急速に冷やすために、できれば氷などを使って冷やしてください。
今日使わない肉は、直ぐに処置して冷凍してしまいましょう。
参考:肉を冷凍保存できる期間は? 2ヶ月後も美味しい最強の保存方法
参考:豚肉の消費期限切れは何日後までOK?正しい冷凍・冷蔵保存方法
生肉を切ったまな板に食中毒菌が付着しますので、調理の後は熱湯をかけて消毒しておくと安心です。
鶏ハムや蒸し鶏などの鶏料理の保存方法
鶏ハムや蒸し鶏は、過熱し過ぎるとパサパサになってしまいますよね。
程よい加熱時間で、おいしく頂きたいと思っている人が多いはず。
家畜食肉の腸内には、「カンピロバクター」が潜んでいます。
特に、鶏の腸の中に居ます。
カンピロバクターは、中心部が65度以上で数分加熱することで死滅します。
特に翌日の朝食やお弁当のおかずに残しておく場合は、しっかりと加熱し、荒熱を取ってから冷蔵庫で保管しましょう!
何度も言いますが、温かい料理を保存する場合は、急速冷蔵・急速冷凍が鉄則です。
魚料理の保存方法
夕食に鮭の切り身を多めに焼いて、翌日の朝食やお弁当に使う人も居ると思います。
魚介類のエラや表面には、「腸炎ビブリオ」という食中毒菌が潜んでいます。
腸炎ビブリオは、昭和25年にシラス干しから大規模な集団直中毒が発生し、日本で始めて見つかった食中毒菌です。
この菌は3~5%の塩分を好み、真水や酸・熱に弱い傾向にあります。
どんなに新鮮な魚でも、調理の際は流水で良く洗ってからしっかり加熱調理をするようにしましょう。
保存の際は荒熱を取り、保存容器をお酢で拭いてから冷蔵庫で保管しましょう。
参考:魚の冷凍保存の方法!賞味期限と新鮮さを長く保つ5つの秘策
レトルトや瓶詰めを使った料理全般の保存方法
朝食のトーストにはちみつを少し垂らして食べるとおいしいです!
下処理がめんどくさいひじきや大豆は、レトルトパウチの物を使って調理をすると時短になるので、重宝しているご家庭も多いのではないでしょうか。
はちみつなどの瓶詰めや、ひじきや大豆のレトルトパウチなど酸素が少ない保存食品には、「ボツリヌス菌」が潜んでいます。
特に、120度で4分以上加熱していない保存食品や、ジャムなどの自家製の保存食品に発生してしまいます。
瓶やパウチから取り出したら、必ず80度で3分以上加熱して調理するようにしましょう!
「ボツリヌス菌」は酸素に弱いので、加熱の際は鍋底から料理全体が空気に触れるように混ぜるようにしてください。
保存方法は、荒熱を取って冷蔵庫で保存し、食べるときに料理全体が、空気に触れるように混ぜながら加熱します。
カレー・野菜スープ・煮物の保存方法
煮物やカレーは、温かい料理の定番です。
一晩ねかせたほうが味が染みておいしいですよね。
でも、カレーや煮物などには「ウェルシュ菌」という食中毒菌が潜んでいるんです!
「ウェルシュ菌」は、100度以上で6時間加熱しても死滅することがありません。
打つ手なしのように思えるかもしれませんが、この菌にも弱点があります。
それは酸素に弱いこと。
ある程度の数まで繁殖しないと食中毒は発生しないので、「ウェルシュ菌」を繁殖させないことが重要となります。
カレーや煮物など温かい料理の保存方法は、調理の後シンクに氷水を張って鍋ごと浸します。
全体を大きくかき混ぜながら、急速に中心部まで冷やします。
保存の際は冷蔵庫で保管し、保管時間が長くなりそうなら冷凍してしまいましょう!
食中毒が発生する条件
家庭で食中毒を引き起こす菌の種類をご存知でしょうか?
実は、家庭で食中毒を引き起こす菌は6種存在します!
菌によって発生源や、食中毒になった時の症状が異なるので、是非一度目を通しておきましょう。
- サルモネラ属菌
卵から、食中毒が引き起こされることで有名な「サルモネラ属菌」
卵以外にも、生肉やレバーにもこの菌は潜んでいます。
食中毒になった時の症状は、下痢や腹痛・発熱・嘔吐が代表的です。
- 腸管出血性大腸菌O157
平成8年に、ある学校で集団食中毒が発生したことで、日本では一気に認知されるようになった食中毒菌です。
牛肉の生肉に潜んでいます。
食中毒になると、腹痛や水のような下痢。
酷い場合は、血が混ざった水のような下痢症状が引き起こされます。
- カンピロバクター
主に鶏の生肉に潜んでいる食中毒菌です。
この食中毒菌は、潜伏期間が2~7日と長いのが特徴です。
食中毒になると、頭痛や倦怠感・発熱などの風邪に似た症状から始まります。
その後に、腹痛や激しい下痢と嘔吐が引き起こされます。
- 腸炎ビブリオ
主に魚介類や寿司に潜んでいる食中毒菌です。
食中毒になると、腹痛や下痢・嘔吐・発熱が引き起こされます。
- ボツリヌス菌
1歳未満の子供にはちみつを与えてはいけない主な理由に「ボツリヌス菌」の存在があります。
缶詰や瓶詰め、真空パックの食品に潜んでいる食中毒菌です。
食中毒になると、運動神経の麻痺や呼吸困難などの症状が現れます。
- ウェルシュ菌
加熱しても死なない食中毒菌として有名な食中毒菌です。
肉や魚を使ったスープや煮物などの食品に潜んでいます。
食中毒になると、腹痛や下痢症状が現れます。
食中毒菌は、室温35℃が最も繁殖しやすい温度だと言われています。
一度冷凍し食品でも、菌の繁殖が停止しているだけで、解凍することで再び増殖を始めます。
多くの食中毒菌は、加熱することで死滅させることが出来ます。
残った食品を食べるときは、十分に加熱してから食べるようにしましょう!
温かい料理の正しい保存方法で美味しく健康に
食品に合った正しい保存方法をしていれば、真夏でも食中毒のリスクを減らすことができます。
温かい料理の保存方法の基本は、急速冷蔵&急速冷凍。
冷蔵庫保存の場合は、できるだけ直ぐに食べるようにしてください。
何日か保存したい場合は、必ず冷凍保存します。1食分ずつ小分けして急速冷凍することを心がけましょう。
あるいは、温かい料理が余らないように、食べる分だけ作るのも良い方法です。
味噌やパンも、冷凍保存がお勧めです!
食中毒が気になる季節。
是非、残り物の保存にお役立てくださいね!